「これなんだかわかりますか?」と言って建築家から見せられたパースに描かれていたのは、まるで宇宙ロケットのような不思議な造形物だった。
往年の名画でも有名なフランス・ノルマンディー地方の港町シェルブール。この都市圏拡大に伴う新興住宅地建設を踏まえて、給水塔が建設されることになり、機能と造形美の調和を提案した建築がコンペを勝ち取った。彫刻作品のような幾何学的な凹凸のあるコンクリートの直径15m、高さ34mの円筒は、港町のどこからでも目にすることができる新しいランドマークとして丘の上に聳えるという。
ライトアップを依頼され、そのスケールを想像しつつ、場所柄すぐ思い至る「灯台」と、空へ向かって誘導される天空へのイメージを重ねて、各曜日を司る惑星からインスピレーションを受けた色(月曜日は月光のブル−、火曜日は火星の深紅・・・)で、日替わりカラーチェンジを実現。海側のカラーに対して、住宅地となる陸側は常時白で動と静の対比を付けた。全エネルギーを屋上のソーラーパネルで賄っている。北米照明学会デザイン賞受賞作品。
クライアント
: シェルブール都市連合体
プロジェクトチーム
: アトリエ・ラブ
期間
: 2010-2013
総工費
: 300万€
面積
: 2 000 m2